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高血圧症とは、血圧がある程度の範囲を超えて高く維持されている状態です(診察室血圧において、縮期血圧140-159 かつ/または 拡張期血圧90-99mmHgをⅠ度高血圧、収縮期血圧160-179かつ/または 拡張期血圧100-109mmHgをⅡ度高血圧、収縮期血圧≧180かつ/または 拡張期血圧≧110mmHgをⅢ度高血圧、収縮期血圧≧140かつ 拡張期血圧<90mmHgを(孤立性)収縮期高血圧と分類されています「高血圧治療ガイドライン2014」(日本高血圧学会))。
人の血圧は、心臓のポンプの力(心拍出量)や、動脈硬化(末梢血管抵抗)や、血管内の血液量(血管内ボリューム)や、自律神経(交感神経・副交感神経)によって調整されており、刻一刻と変化しています。
早朝や緊張している時やストレスがかかっている時には血圧が上がりますし、リラックスしている時には、低くなり安定します。
ですから、一度血圧を測って高かったからと言って、すぐに高血圧症とは診断をつけませんし、その後に基準値内に下がれば、一概に高血圧症とは言えません。血圧のいつも高い状態が継続していることが問題になるのです。特に診察室血圧は高くなる傾向にあり、白衣高血圧症ともいわれます。高血圧症は日本人にとても多い疾患で、塩分過剰摂取によるものがしばしば見受けられます。高血圧症は放っておくと、常に血管に圧力が加わって、動脈が傷みやすく、動脈硬化の原因になるのが大きな問題です。
それと同時に、血液を高い圧力で送り出しているのは心臓ですから、心臓に負担がかかります。
つまり高血圧症は、血管や心臓などの臓器に障害をもたらすのです。その結果、心不全や狭心症、心筋梗塞といった心臓血管系の病気や、脳卒中(脳出血、脳梗塞など)を引き起こします。
特に日本では、欧米諸国と比較し、脳卒中発作が多い特徴があります。これは背景に塩分過剰摂取による高血圧症が関連しています。
ただ、高血圧症そのものは無症状のことが多いので、日々の血圧測定や健康診断などを通じて早期に発見し、早めに対策を打つことが大切です。
腎臓も血圧の影響を大きく受ける臓器です。腎臓は、血液の中から老廃物や有害な物質を濾過(ろか)して取り出し、それを尿にして体外に排出する働きを担っています。腎臓で血液を濾過する部分は、毛細血管のかたまりのようになっています。高血圧症の状態が続くと、毛細血管に動脈硬化が起こって血流が悪くなり、腎臓の働きは低下してしまいます。
高血圧症になりやすくする危険因子というものが知られています。遺伝、肥満、耐糖能異常(糖尿病予備群)、ストレス、喫煙、塩分の多い食事、飲酒の習慣などですが、これらを多く併せ持っている人ほど、高血圧症になりやすいと言えます。また、なかには腎臓や副腎などの臓器疾患からも二次的に高血圧になるケースがあり、これらを「二次性高血圧症」と呼びます。頻度としては高血圧症全体の5%程度です。診断には空腹時安静後の血液検査や画像診断が必要です。
まず行うべきは、上記のような高血圧症の危険因子を知って、そのうえで適正な体重、適度な運動(毎日30分以上の有酸素運動など)を継続的に行い、減塩(1日6g未満)に努めるなどの生活習慣の改善(食事・運動療法)を心がけることです。 3~6か月間こういった生活習慣の改善を心掛けても、血圧コントロールが困難な場合、投薬が必要となってきます。 一度薬を飲み始めたら、一生やめられないと思っている方が少なくないようですが、食事・運動療法の継続により症状が改善してくれば、薬の量を減らしたり、中止できる場合もあります。一度降圧薬を服用し始めたら飲み続けなくてはいけないということではなく、まず現在高血圧症であること、これは狭心症や心筋梗塞、脳卒中などを引き起こしてくる危険な状態であることを認識することが大切です。薬を継続する目的は、適正に血圧をコントロールすることによって、こういった恐ろしい病気と縁が切れ、明るく元気な日々を送ることが目的です。こういった治療の本当の目的、意義を丁寧にご説明させていただいた上で、本当にご納得していただき、適切な治療をさせていただきます。