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合併症には大きく分けて「急性合併症」と「慢性合併症」があります。
高度のインスリン作用不足による急性代謝失調です。代表的なものとして、糖尿病性ケトアシドーシスと高血糖高浸透圧症候群があります。いずれの疾患も、適切なインスリン治療や補液などが速やかに開始されないと、死に至る可能性も十分にあります。
糖尿病をきちんと「コントロール」しないと、血液中に溢れたブドウ糖が血管にダメージ(動脈硬化)を与え、いろいろな慢性合併症を招くようになってきます。合併症というのは、ある病気が元になって起こってくる、別の病気や症状のことです。細くて小さい血管の合併症(細小血管障害)には、網膜症や神経障害、腎症などがあり、この3つを合わせて「糖尿病の三大合併症」と言います。
眼の内側には、網膜(眼から入った光が像を結ぶ場所)という膜状の組織があり、光や色を感じる神経細胞が敷きつめられています。高血糖の状態が長い期間にわたって続くと、ここに張り巡らされた血管が動脈硬化による損傷を受け、血流が悪くなって栄養と酸素が十分に供給されず、視力が弱まります。進行してしまうと出血や網膜剥離を引き起こしたり、なかには失明に至るケースもあります。また、白内障になる人も多いです。
糖尿病網膜症は、かなり進行するまで自覚症状が無いことも多いので、「まだちゃんと見えているから大丈夫」といった自己判断は禁物です。糖尿病の人は、眼に特別な異常を感じていなくても定期的に眼科を受診し、眼底検査などを受ける必要があります。
※日本の失明原因のかなりの部分を糖尿病性網膜症が占めています!通常、血糖コントロール不良がつづくと、約10年以内で出現してきます。
末梢神経障害としては、主に「手袋・靴下型」と言われ、手先や足先の末梢神経が障害されます。その症状の出方はさまざまで、「手足の痺れ」「やけどやけがの痛みに気づかない」などです。そのほか無痛性心筋梗塞(重要なサインである痛みを感じないため非常に危険です)、胃腸の不調(下痢や便秘)、顔面神経麻痺、立ちくらみ(起立性低血圧)、発汗異常、ED(勃起不全)など、さまざまな症状が現れてきます。通常、神経障害は血糖コントロール不良がつづくと、約5年以内で出現してきます。
血液を濾過(ろか)して尿をつくる腎臓の糸球体(しきゅうたい)という部分の毛細血管が傷害を受けて機能が損なわれ、だんだんと尿がつくれなくなり、心不全や尿毒症の危険性が高くなります。約10年間以上、血糖コントロールが不良であると、腎不全に至り、人工透析による血液浄化療法が必要になります。通常、1回4時間、週に2~3回、定期的に透析を受けることが必要になります。現在、腎不全で人工透析になる原因の第1位が、この糖尿病性腎症です。
多くの場合、境界型糖尿病や糖尿病初期には、空腹時の血糖値は正常またはやや高いままで、まず食後の血糖値が急激に上昇することから始まってきます。これは、食後血糖を調節する「追加インスリン分泌」が初めに低下してくるためです。
糖尿病は、空腹時の血糖値126mg/dL以上、または食後2時間の血糖値が200mg/dL以上と基準よりも高く、HbA1c(NGSP) 6.5%以上の場合に診断されます。しかし、健康診断などで測定するのは、一般に空腹時の血糖値だけですので、食後の血糖値だけが高いタイプの境界型糖尿病は見逃されやすいのです。食後高血糖は「グルコーススパイク」といわれ、それだけで心筋梗塞や動脈硬化を進めることがわかってきました。空腹時の血糖値が正常でも、食後の血糖値が高いと、死亡率が数倍も高くなると言われます。
「境界型糖尿病」(食後高血糖)が進むと、空腹時の血糖値も上昇してきて、完全な糖尿病になります。すると合併症(網膜症、腎症、神経障害)をきたす危険性も高まります。こうした合併症を防ぐためには、「境界型糖尿病」の段階で早期発見・早期治療をすることが大切です。
空腹時の血糖値が100mg/dL以上、またはHbA1c(NGSP)が5.6%以上の場合は、「境界型糖尿病」の可能性がありますので、食後血糖値の検査を受けましょう。食事を摂ってから医療機関に行き、食後1~2時間の血糖値を調べる方法などがあります。ブドウ糖負荷試験*を受ければ、さらに正確な糖尿病の診断が可能になります。
*ブドウ糖負荷試験:75gのブドウ糖を水に溶かして飲み(糖負荷)、その後30分、1時間、2時間後に採血・採尿し、血糖値・血中インスリン値・尿糖を測定する検査です。簡便な検査ですが、本当の血糖値の動きや膵臓のインスリン分泌力などが詳細にわかります。
※当院で実施可能ですのでお気軽にご相談下さい(予約制)。